オートファジーと整体
オートファジーをご存知ですか?
オートファジーとは、
2016年、
東京工業大学 栄誉教授 大隅良則先生 が、
ノーベル医学生理学賞を受賞されたことで世間に注目されました。
オートファジーとは人体最高のリサイクルシステムです。
オートファジーって何?
オートファジーは、ギリシャ語で、
オート(自分)、ファジー(食べる)という意味です。
直訳すると、オートファジー = 自食作用ということになります。
言葉だけを聞くとなんだか怖い印象を受けますが、全然そんなことはなく、大変ありがたい、なくてはならないリサイクル機能、それがオートファジーです。
オートファジーのリサイクル機能とは、
オートファジーのリサイクル機能を説明するには、まず、体の構成要素の話からしなければなりません。人間の体は、約60%が水分、15~20%がタンパク質、15~20%脂肪、残り約5%がミネラルと言われています。
オートファジーは、その中のタンパク質の重要なリサイクルシステムなのです。人体の目で見えている部分の全ては、主にタンパク質と水で出来ています。皮膚も目も筋肉も内臓も血管も全てです。例外で骨はカルシウムが多く存在しますが、骨はコラーゲンというタンパク質の土台の上にカルシウムがくっつく形で存在しているため、やはりタンパク質が無いと骨も存在できません。ですので骨を強くしようと思えば、いくらカルシウムを摂ったところで強くならず、タンパク質のことをもっと理解しなければなりません。
付け加えると、ミネラルバランスではカルシウムはマグネシウムとのバランスの上に機能しますので、カルシウムを体内でちゃんと働かせるためには、マグネシウムが必要です。骨を強くするといってもこれだけのことは知らないといけません。病院で薬だけをもらって何も知らずに日々生活していても、骨は強くなりませんので、一緒に学んでいきましょう。
1日に必要なタンパク質の本当の量は?
1日に必要なタンパク質の本当の量を知っている人は、ほとんどいません。
なぜかというと、栄養学的には体重1キロ当たり1グラムのタンパク質が必要だといいますが、実は、健康な体を維持していくのには全然足りません。かといって日本人の平均タンパク質摂取量(平均50グラム)は、体重51キロ以上の人にとっては栄養学的な必要量にも達していません。
では、日本人の本当に必要な量はどれくらいでしょうか?
本当の1日タンパク質必要量は、なんと200(~230)グラムです。
必要量200g-摂取量50g=150gはどうする?
まさに、この答えとなるのがオートファジーの解明だったのです。
オートファジーのリサイクル機能とは、まさに食事以外のタンパク質摂取機能のことです。
体内で、いらなくなった・古くなったタンパク質をリサイクルして新しいタンパク質に生まれ変わらせる機能が元々体には備わっている。それを証明したのがオートファジーの解明なのです。
しかし、まだオートファジーについては全てが解明されたわけでは全然ありません。
山中伸弥教授の「IPS細胞」と同じようなもので、これからどんどんと解明されていかなければならない分野だということです。そのキッカケをつくった今回の研究結果、本当に素晴らしいです。
今では、このオートファジー研究の分野で年間3000本以上の論文が発表されるようになっていることから、その重要性と今後の発展が大いに注目されるところです。
では、このオートファジーの解明はどんなことが期待されているのか、現在1番注目されているのは神経変性疾患に対するもので代表的疾患はパーキンソン病です。他にもガンの治療や予防、生活習慣病に至るまで、幅広くこれからの解明が役立つことになります。
オートファジーと整体
では、整体とオートファジーの関係はどうでしょうか?
一見関係ないように思いますが、私の見解はまったく違います。
痛みやシビレなどの悩みを抱えている人にこそ、このオートファジーを理解して実践することが何よりも大事だと確信しています。
そもそもオートファージーはいつ起こるかというと主には空腹時です。
分かりやすく言うと、
自分が食べている時は細胞は食べておらず
自分が食べていない時は細胞が食べている
どういうことかと言うと、自分が食べていない時(特に空腹時)に細胞は古くなった細胞というタンパク質を食べて栄養にする。そのタンパク質の摂取で残りの150グラムを摂取している。いや、摂取しなければならないです。
特に、先ほど説明した神経疾患への効果の期待、言い換えれば整体で言うとシビレの治療となります。神経の健康状態が悪いとシビレになりますが、まさにシビレは神経疾患です。ですのでオートファージーは整体施術に切っても切れない存在となるのです。
他にはもちろん筋肉も骨もタンパク質でできています。関係ない訳がありません。
口から摂るタンパク質の摂取。それよりも大事なリサイクルシステムとしてのタンパク質摂取。
( 単純に言って、食事による摂取(50g)の3倍重要(150g)ということです )
このことを理解しましょう。
オートファージーを最大限に働かせるには?
空腹です。
空腹時にオートファジーは最大に活発になると言われています。
昔から言われている腹八分がいいとか、満腹はいけないは本当だったのです。
断食(だんじき)は体に良い。※別名:断食=ファスティング
一般の方が3日断食などをするのはオススメできません。専門家が必要です。
ですが、1日3食を2食にする。半日断食をする。18時間断食・24時間(1日)断食をすることは大いに賛成します。※ 断食中、お水は1.5リットル~2リットルをマメに飲む。午前中多め・夕方まで・夜はかなり少なめ(・食事中は水分なし)
もちろんベストなやり方はご相談ください。
今回お伝えしたことは、空腹は食事の3倍重要であると言い換えることができるほど大切な内容です。(私はそう思っています)
ぜひ、日々の健康的な毎日のために役立ててください。