この時期に多い『 ぎっくり腰 』その原因と対策ついて。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは別名「 急性腰痛症 」と言い、読んで字のごとく急性、急に腰痛を発症する疾患(外傷・ケガ)です。
ぎっくり腰の中にも種類があり、筋肉を傷(いた)めてなる筋肉性の急性腰痛症や、関節を捻挫して起こる関節性の急性腰痛症(捻挫とは関節を無理な方向に動かないように固定している靭帯(じんたい)が伸びることを言う)、他にもあるが大きく分けてこの2つの急性腰痛症が主には起こります。
しかし、種類はありますが筋肉を傷める場合でも、靭帯を傷める場合でも、発生起点(痛めた時のメカニズム)は同じです。
要するに筋肉が自分の体の許容範囲より伸びすぎてしまった、あるいは自分の許容範囲よりも重い力をかけられてしまった、このどちらかで組織が損傷して傷めてしまう、靭帯で言えば、自分の伸びる許容範囲をこえたときに損傷してしまいます。
筋肉性と靭帯性どちらが悪い?
当院の考えによりますと、筋肉性のぎっくり腰も靭帯性のぎっくり腰も発生起点は同じと言いましたが、どちらの方が状態として悪いのか、分かりやすく言うと、治すのに時間がかかるかという違いはあります。
答えとしては、筋肉性より靭帯性の方が時間がかかります。
なぜかというと、体の状態が疲れや睡眠不足などで弱ってきた場合に、まず機能低下を起こすのは筋肉です。筋肉が本来の動きをしてくれず、体が重たい・動きづらい状態になります。でも、仕事はしないといけない、友達との旅行はキャンセルできない、どうしてもあそこに行きたい、孫や子供の面倒をみなくてはいけないなど、様々なことで機能低下してしまっている筋肉や体を休ませない状況になってしまい、無理に動かしたとき、あるいはその後や次の日に急性腰痛症になってしまう。これが筋肉性の大まかな流れです。
一方、靭帯性はというと、筋肉の機能低下を起こした状態で少し休みを取りながら日々の生活ができた場合、筋肉は少しずつ機能低下を起こして、時間をかけて悪くなるので機能低下を起こしてしまっているだけでなく、筋力低下まで起こしてしまっている状態となってしまいます。
ということは、筋肉性は筋肉の機能低下(場合によっては筋力低下も)のみ、関節性は筋肉の機能低下 + 筋力低下 という考え方ができるため、関節性(靭帯の捻挫性)の急性腰痛症(ぎっくり腰)の方が、治るまでに比較的長くかかるという考えになるのです。
ギックリ腰はなんてことない動作でなるのはなぜ?
ここで、よく患者様から質問を受ける上記の質問、「 ぎっくり腰はなんでちょっとした動作や朝布団から出て動き出しの軽い動きでなるの? 」という疑問に答えようと思います。
答えは、今まで書いてきた内容にも入っているのですが、痛みが出た時がその症状の始まりではない!ということが1番言えます。患者様は痛みが出た時が悪くなった時と思われがちですが、本当に全然そんなことはありません。痛みが出た何日も前、あるいは何ヵ月、長い人で数年から数十年前の原因が今回のぎっくり腰の本当の原因ということは多くあります。
昨日やったこと、無理をしたことが原因でぎっくり腰になることはありません。
例えるならば、風邪を引いた時、昨日が原因と考える人はあまり少ないと思います。最近忙しかったしな。とか、最近睡眠不足が続いていたな。とか、最近暴飲暴食が続いていたな。とか、色々と1週間から3ヵ月ぐらい前からの行動を振り返るはずです。
まさにそれとぎっくり腰の原因は同じです。免疫力が下がって風邪を引くか、疲れている時に筋肉や関節に負担をかけてぎっくり腰になるのか、要は、一定期間不健康状態が続いてなるのが風邪であり(あるいは病気)、「ぎっくり腰」なのです。
ですので、必ずぎっくり腰になった時は、自分の生活を振り返らなくてはいけません。振り返らないと必ずと言ってよいほど再発します。
ぎっくり腰になってしまった時の対応策は?
では、ぎっくり腰になってしまった時の対策は、
1番は『 氷水で冷やす 』です。
急性腰痛症の初期段階で、これに勝(まさ)る治療はありません。
なぜかというと、炎症という炎が燃えたぎった状態だからです。
他には、半日~1日の断食をするや1日2食にする。
晒(さらし)を巻くなどの対策はありますが、氷水の効果には負けます。
もちろん、氷水と一緒に少しファスティング(断食)をして頂くとなお良いです。
シップや保冷材・アイスノンでは効果が半減以下になってしまいますので、
そちらもオススメしておりません。
ビニール袋を2重にして、氷と水(水は少し)を入れ、30分~40分冷やす、
それを3日間は1日2~3回行うことが最初は1番いいです。
それをして少し治まったら、口コミで評判の治療院に行って治してもらってください。
まず初めは氷水で冷やす。ぎっくり腰になったらまずやってくださいね。
間違っても温めることは、ぎっくり腰になってすぐは考えない方がいいです。
炎症という炎をこれ以上燃やさないようにしてください!!