五十肩かと思ったら実は…②石灰沈着性腱板炎
五十肩かと思っていたら違うこともありますよ!
前回にも書きました五十肩かと思ったらシリーズ
2つ目は『 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん) 』です。
五十肩の特徴や治し方は前回書きましたので、
今回は石灰沈着性腱炎と五十肩の違いについて書いて行きます。
ちなみに前回のブログはこちら↓
石灰沈着性腱板炎とは?
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)は、
肩の腱板に石灰(リン酸カルシウム)が沈着することにより急性炎症を引き起こすものです。
※腱板とは、肩関節を守っている筋肉達で、肩関節の1番奥にある筋肉群です。
棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょっかきん)
小円筋(しょうえんきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)の4つから構成され、
それぞれ肩関節の前方(肩甲下筋)・上方(棘上筋)・
後上方(棘下筋)・後方(小円筋)に位置して肩関節を守っている
要するに石灰性腱炎は、カルシウムがたまることが無い肩の筋肉に
カルシウムがたまって固まってしまった普通ではありえない状態のことです。
よって柔らかい筋肉組織に硬い骨の主成分であるカルシウムが沈着するわけですので、
夜寝れないぐらいの激痛がともなうことがあります。
石灰沈着性腱板炎の特徴としては、
〇 突然くる肩の激痛
〇 40~50歳代の女性に多い
〇 夜間痛(寝る時の痛み)が強くて眠れないことがある
こういった特徴があります。
【 治療 】
急性期は激痛のため、一刻も早い痛みを軽減する方法として、
肩の奥の筋肉(腱板)にくっついてしまっている石灰(カルシウム)を
注射で抜き取る方法や、肩関節への局所麻酔薬およびステロイドの注入が有効である。
※ステロイドは強力な炎症を抑える働きがある
強力なため量や頻度はしっかりコントロールしなければならない
石灰性腱炎の激痛が取り除かれえた後の状態としては
腱板断裂とほぼ同じ状態ですので、治し方。期間などほぼ同じである。
ただ、当院の見解ではこの「石灰性腱炎」になった後に
「五十肩」に移行する方が多い印象ですので、
石灰性腱炎になったらすぐに過剰な炎症をおさえる処置をしなければなりません。
石灰性腱炎の根本原因は?
では、石灰性腱炎になぜなるのか?
カルシウムが肩の筋肉に沈着することは分かったがどうしてそうなるのか?
1つの見解として、
当院ではミネラルバランスの崩れが根本原因ではないかと考えております。
当院のブログでも何度か登場した「ミネラルバランス」について
簡単に説明するとカルシウムはミネラルの代表格ですが、
もう1つ同じぐらい重要なミネラルがあります。
それは、「 マグネシウム 」です。
ミネラルバランスとは、
このカルシウムとマグネシウムのバランスのことであり、
理想はカルシウム1~2対1マグネシウムの割合です。
ほぼ同じぐらいの量を摂取しなければ、
マグネシウムが不足していれば、実はカルシウムはカルシウムとしての
働きができないと言われています。
マグネシウムのサポートがあって初めてカルシウムが生きます。
しかし、一般的にはカルシウムばかり摂りましょうとどこでも言っているため
ミネラルバランスが崩れてしまっています。
そして、体内のカルシウムは骨に99%存在していますが、
実はマグネシウムが無いとカルシウムはスムーズに骨に入っていけません。
骨に入れなかった大量のカルシウムは行き場を失い。
そのカルシウムが肩の筋肉にくっついてしまい石灰性腱炎になるということです。
これは1つの仮説ですが、間違ってはいないと思います。
ですので、カルシウムばかり摂り過ぎずにマグネシウムも取ってください。
カルシウムばかり摂り過ぎるのは本当に怖い事です。
カルシウムは骨の主成分であり、それだけ硬い物質です。
それが体内の骨以外の柔らかい組織にたまるということは想像すればこわいです。
胆石や結石の原因としても上記の理由で分かると思います。
ですのでカルシウムばかり意識せずに
マグネシウム食品(豆類・海藻類・魚など)をしっかりと食べましょう。
ミネラルバランスが正常ならば石灰性腱炎にもなりにくいはずです!!